エンコルピオのブログ

日々のあれこれと趣味のことを徒然なるままに記す

読書録 2022上期

 読書した個々の本のコメントはブクログさんにメモしているので、このブログでは細かく書かないが、昨年読んだ本を総括したいと思う。


記載した本の多くは公立図書館から借りたもので、図書館従事者の労務に感謝したい。
なお雑誌や業務で使用しているもの、いわゆる積読のものは記載していない。


1月
邪宗門 上・下 高橋和巳 
AI vs. 教科書が読めない子どもたち 新井紀子 
ハピネス 桐野夏生


2月 
ロンリネス 桐野夏生 
グロテスク 桐野夏生


3月 
ねじまき鳥クロニクル 村上春樹 
カラ売り屋vs仮想通貨 黒木亮  
  
4月
真説 日本左翼史 戦後左派の源流 1945-1960 池上彰/佐藤優
カラ売り屋、日本上陸 黒木亮
夜の谷を行く 桐野夏生 
世界をこの目で 黒木亮
アパレル興亡 黒木亮
食卓のない家 円地文子 


5月 
ノーベル文学賞が消えた日 マティルダ・ヴォス・グスタヴソン 
光の雨 立松和平


6月 
激動 日本左翼史 学生運動と過激派1960‐1972 池上彰/佐藤優
ルース・ベイダー・ギンズバーグ アメリカを変えた女性 R・Bギンズバーグ
複眼の映像 私と黒澤明 橋本忍


去年の読書の流れ(村上春樹の「1Q84」を読んだことがきっかけ)から読んだ「邪宗門」は、宗教組織(特にカルトと呼ばれる)と政治のかかわりを戦中戦後の時代背景は変われども共通する中毒症状に大きな危惧を感じる。
最近でも統一教会と政治の問題は生々しく危うい。


桐野夏生原作のドラマ(確か「魂萌え!」)を見て合わないなと思い込み、今まで食わず嫌いだった著者の語り口のうまさに引き込まれて4作読んだ。
数多くある彼女の作品から佐野真一の「東電OL殺人事件」を読んでいたことから「グロテスク」を、連合赤軍を題材にしていたことから「夜の谷を行く」を選んでみた。


黒木亮の作品は経済(特に金融)の実態をリアルにかつヴィヴィッドに描かれていることから勉強の意味もあり継続的にフォローしている。
特に「カラ売り屋vs仮想通貨」は、仮想通貨について彼の観方が参考になった。


自民党政権の閉塞感が強まる昨今において本来なら政権交代可能な選択肢が望まれるところだが野党らのカウンター勢力に対する国民の期待は弱い。
そんな状況下でいわゆる左翼勢力の歴史と概括的な思想を池上彰/佐藤優の対話で総括した連作は興味深かった。
また当時の左翼勢力を一般社会から断絶させた連合赤軍の事件を異なる視点から描いた「夜の谷を行く」、円地文子の「食卓のない家」、立松和平の「光の雨」は貴重な記録として読んだ。


購読している日経の書評欄を参考に読んだものが「ノーベル文学賞が消えた日」「ルース・ベイダー・ギンズバーグ アメリカを変えた女性」の2作。


下期に続く