エンコルピオのブログ

日々のあれこれと趣味のことを徒然なるままに記す

サッカーアジアカップベスト16で敗退

 今回のアジアカップでの日本代表の前評判は高かった。
FIFAのランキングでもアジアのチームでは最高位だったこともあって優勝候補の筆頭だった。
しかし結果は優勝どころかグループリーグから苦戦が続き、初戦のトルシエ率いるベトナム戦では2対1とリードされた上で結局4対2で勝利。このゲームではゴールキーパーの鈴木の不安定な守備が大きな不安材料となる。


第2戦のイラク戦ではイラクにロングボールを放り込まれデイフェンスが対応しきれず(特に谷口はひどく途中で故障明けの富安に交代するが、右サイドバックの菅原の緩い守備もありイラクに2対1で敗れる。グループリーグでは一番手強い相手とは思っていたが負けるようなレベルの相手ではなかったはずだ。
結局日本の苦手なロングボール対策をチームとして克服していなかったツケを払うことになる。但し谷口の起用も含め監督の責任も重い。


第3戦はインドネシア戦で一番レベルの低い相手なので、なかなか先制点がとれず苦労したが、3点取り勝はしたが余計なミスで1点を失う。
この緩みが本大会に挑む日本代表を象徴している予感がした。


グループリーグを2位でトーナメント戦に進出を決めた。
相手がどこになるか、ひょっとしたら早々に日韓戦かもと思ったが、意外にもバーレーンだった。
右SB毎熊の強烈なシュートで目が覚めたようにポストにはじかれた球を堂安が押し込む。
やっと日本の強さを発揮し始め、久保のオフサイドかと思われたゴールも認められ運もついているなと思った矢先またもGK鈴木がらみのオウンゴール。
2対1と流れが変わる前に、オウンゴールに絡んだ上田のゴールが決まり勝利の女神をぐいと引き寄せた。
ただこの試合で全試合から豊富な運動量とポジショニングの良さで目立っていた旗手が肉離れのような様子で選手交代したのが不安要素だった。


さらにピッチの外で不穏な雲行きが日本代表攻撃のキーマン伊東純也に覆うことになる。
このスキャンダルは刑事事件として互いに告訴しあうことになり真偽は現段階では決着していない。
ただこの事件の処理をJFAは代表離脱、帯同、結局離脱というチーム事情よりもスポンサーを重視した大人の判断で替えの効かない右ウイングを失った。


ベスト8をかけた相手はFIFAランク21位(当時)でアジアでも屈指の強国イランだった。
ただスターティングメンバ―に違和感を感じた。
左ウイング前田、悪い選手とまでは言わないが攻撃の駒にはならない。
せいぜいプレスをかけたり前線からのデイフェンス要員だ。
前半守備的に行くということか?
それでもトップ下に入った久保が左にポジションを移したり攻撃の中心として動き、2日前の試合で旗手の交代で入った守田がよくキープしゴールを決めた。
前半念願の1点を取り終了し後半は2点目を取るべく、最初から三苫を投入すると考えていた。
ところが選手交代はなく、左ウイングは前田のまま、これでは後半のチームの方向性が見えない。
まだ三苫の調子がよくないのだろうか?
もちろん前田は懸命にボールをチェイスするが如何せんキープできない。散発的な動きでこれでは得点できない。
それでも久保はチャンスをつくろうと動くがイランのCBがつぶしにかかる。
そしてイランはイラクがやったようにロングボールを入れ始めるのだ。
更にいつもはもっと安定したセーブをするCBの板倉がミスを連発し出す。
前半珍しくイエローをもらってから、消極的かつ裏を取られるプレーが多くなり、彼のポジションだけ大きな穴が開いているようだった。
イランのパスが通り1点を奪われると一方的な防戦となる。
こうなる予兆はあったが、監督は何を血迷ったか攻撃の要久保を南野と交代させ、押され気味の段階で三苫を投入する。
違うだろうまず出血を止めないとだめだろ。
板倉を町田と交代させるか、3バックにするべきだと思っていたが、何となく延長戦を予感させながらアデイショナルタイムに入るがヒヤッとするシーンが多くなる。
そして残念ながら押し込まれた中で板倉は相手をファールで倒してしまう。
万事休す。


2対1逆転で日本はベスト16でアジアカップを去ることになった。
何とも情けない結果にあきれた。
この試合は監督のミスが大きい。
外科手術ができるのは監督だけだ。
どうにも個人の力量や属性だけに頼った作戦では監督とは言えない。
親善試合と公式試合は全く別物だし、その意味がよく分かっているのか不安になった。
折角テレビで放映されても見る者をがっかりさせるような試合をしていたらサッカー人気はますますしぼんでいくことになるだろう。