先月13日すかいらーくHDは2024年1月~9月期の連結決算を発表した。
純利益が前年同期比2.3倍の104億円で、食材や人件費の高止まりを吸収して、売上高営業利益率も6.5%と上げた。
猫ロボ配膳やセルフレジの導入といった店舗運営の効率化やグループ内の業態変更やメニューの見直しなど努力が実ったのだろう。
目出度い。
すかいらーくグループは、株主優待でバーミヤンやジョナサンのパフェを愛用しているが、歩いていくには近所のガストが近いのでたまに昼食に利用する。
今年の夏の猛暑の頃、季節限定メニューのアジアンフェアのメニューの濃厚トムヤム豆乳クリーム冷麺は美味しかった。
普段タイ料理のトムヤムクンは好まない妻が、美味しいと絶賛していた。
外部の料理人とのコラボで頑張っているなと感じていたものだ。
さて決算発表と同じ頃、同グループ内の1ブランドであるガストで、フレンチのコースをメニューとして期間限定で1990円(税込み)で出すと発表した。
期間は11月21日~来年1月22日ということで、白金台のフレンチのシェフの監修だそうだ。
妻に行く?と聞いたら、メニューの内容つぶさに見てあまり乗り気ではない様子。
確かにフレンチのメインの料理がハンバーグではどうかな?と私も思った。
ただ、それ以上にすかいらーくがこのチャレンジの意味が知りたくなった。
それはガストというブランドのすかいらーくグループの中の位置ずけをどう変化させる意図があるのかにつながる。
もちろん1990円というフレンチのコースとして破格の価格で食べる人にどう満足させるのか?どれほど満足できるのか知りたくなった。
食いしん坊のさがだ。
妻も在宅勤務の私の食事も含めて昼食の用意もいらなくなるし、多少好奇心もあり、昼時に歩いて近所のガストに赴く。
店の奥の方の余り目だない席に陣取る。
テーブルの上に通常のメニューとは別に、フレンチのコースのメニューが独立して目立つように置いてある。
あれ、力入っている感じかな。
妻と顔を見合わせ微苦笑。
私は前菜にサーモンとホタテが食材なので白ワイン付きコースを、妻はドリンクバー付きコースをオーダー(どちらも100円増しでOK。)。
もちろんタブレットでです。
当然水も自分たちで取りに行かなければなりません。
前菜はオーダーからすぐにサーブされます。
これはいつもの猫ロボではなく店員さんが運びます。
事前の情報では逐一料理の説明があるとのことでしたが、特にありません。
コース用の独立メニューに詳細が書いてあるので特に不都合は感じません。
むしろファミレスでいちいち料理内容が説明される方が恥ずかしいかもしれません。
ただ問題は白ワイン付きを頼んだのに再度督促しないと持ってこない。
やれやれ。
まあしょうがない。
100円だもの(味は美味しい)。
前菜はホタテのバターソテー、サーモンマリネのグジェール(小さなシューで包まれたサーモン)、アンディーブの柚子ビネグレッド和えの柚子ビネグレッド和えの3品。
ホタテはそれなりに厚みもあるが、バターソテー感は感じない。
サーモンのマリネ感は乏しく、湿気てる感じのシュー皮と相性がいいのか謎?
妻はアンティーブを食べながらこれ何かしらと聞く。
キャベツのような食感だけど、苦みが残ると言う。
まあ、普段の食事ではアンディーブは食べないからね。
続けさまに次の料理が運ばれてくる。カリフラワースープ ~カリカリパンチェッタとクルトン添え~が運ばれる。
カリフラワーのスープとは珍しいと2人で言いながら、別添のパンチェッタ(ベーコンをカリ
カリに焼いたようなもので香ばしい塩味がアクセントになる)とクルトンをスープに入れて
味わう。
淡白な味わいで、印象は薄い。
さてメインの前にソフトフランスパンがバター付きで運ばれてくる。
流石にここはマーガリンではなく、バターだ。
パンは適度に柔らかくボリューム感もある。
メイン料理のソースをつけて食べても美味しそうだ。
メインはビーフ100%のハンバーグに赤ワインやトリフュを使ったペリグーソースがかかり、
ゴボウのチップがハンバーグの上に散りばめられている。
付け合せにマッシュポテトとほうれん草ときのこのソテーが添えられ、赤ワインに漬けられた半熟卵が存在感を示す。
肉感のあるハンバーグは、信頼の美味しさ。
ただちょっと火を入れ過ぎてるかな?
ソースは柑橘系の酸味を感じるソース。
これについては妻は好みではないとのこと。
私は好きだけど。
赤紫色の半熟卵は、ハンバーグをつけて食べることでペリグーソースとちょっと違った味わいをもたらすが、派手な色の見た目ほどは主張はない。
予想通りソースをパンに漬けて食べても美味しい。
これは私が他店のフレンチでもよくやる食べ方でフレンチを感じられた。
最後はガストの名前入りチョコとヘーゼルナッツののったブランマンジェプラリネが運ばれる。
ちょっと固めの杏仁豆腐のような食感で、あのソースの後としてはバランスが良いかもしれないが、デザートとしては???が浮かんだ。
全体としてセントラルキッチンである程度加工して準備された食材を、マニュアルに従って調理して出しているのだろうが、やはりフレンチは調理人の腕が如実に出ることを再認識した。
ガストの全国一律のメニュー化は、大いなるチャレンジだと思いたい。
このフレンチコースメニューと同時期に、6割のメニューを値上げしている。
おそらくこのチャレンジを一番手頃だったガストブランドの向上につなげたい意図があったのかなと思った。
ただ、すかいらーくグループには他にガストのワンランク上と思っていたファミレスのジョナサンがあり、ブランド戦略上どのように整理しているのかなと思った。
最後に妻とこの値段でこのコースをまた食べたいか尋ねたところ、その値段だったら他のメニューに他のもっと美味しいデザートをプラスして選ぶわということだった。
私も同意見だ。
以上忌憚なく感じたままの感想だ。
それでもすかいらーくGには創意工夫して手頃な価格で美味しい料理を提供してくれることに感謝する。
ご馳走様でした。
こ