エンコルピオのブログ

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私的3大ギタリスト選考放浪記 其二

今年1月、3月と相次いでYMOのメンバーが亡くなった。
YMOは、正式なメンバーはベース細野晴臣、ドラムス高橋幸宏、キーボード坂本龍一の3人だが、コンサートではサポートメンバーが3人いた。
シンセサイザー松武秀樹、キーボード矢野顕子、そしてギター渡辺香津美(後に大村憲司)だ。


渡辺香津美と坂本龍一は、YMOの前から双頭バンド「KYLYN」で活動していてアルバムも残している。
渡辺香津美はYMOの第1回ワールドツアー(1979年)のサポートメンバーとして参加していた。
私が初めて渡辺香津美の演奏している姿を初めて見たのはこのツアーの映像だった。
オリエンタルなテクノサウンドの間奏でアドリブでギターを弾きまくる姿に驚いた。
YMOのある意味無味乾燥な無国籍的サウンドにジャズ、ファンク、ロック的なギターは斬新だが、ややもすると浮いている印象もあった。


1980年、アルバム「TO CHI KA」が発表され、収録曲の「ユニコーン」が当時日立のオーディオブランド「LoD」のCMに使われていたことが記憶に残る。
ただその頃はそれほど魅かれたわけではなかった。


その後1987年Bブルフォード(D)、Jバーリン(B)とトリオを組みアルバム「スパイス・オブ・ライフ」発表とツアーを行う。
私的3大ドラマーの1人Bブルフォードのリーダーグループ「ブルフォード」のリズム隊と組むという夢のような顔合わせ。
ちなみに「ブルフォード」のギターは私的3大ギタリストの1人Aホールズワース。
但し「ブルフォード」はキーボード担当メンバーがいるカルテット。


「スパイス・オブ・ライフ」はオープニングからキングクリムゾンの「ディシプリン」(1981)を意識したようなポリリズムを導入したナンバーで驚かせる。
全体的に緊張感の高い仕上がりとなっていて、次作のややリラックスした仕上がりとは異なる。
この時の貴重なライブ映像はDVD化されてよく見た。


翌年キーボードが加わり「スパイス・オブ・ライフ2」発表され、ツアーも行われた。
このアルバムに収録されたBブルフォード作曲の者が演歌っぽくエモいのが妙な味わい。


ちなみに渡辺香津美の演奏形態としては、トリオ(ギター、ベース、ドラム)かカルテット
(トリオにキーボードを加えた)が好きです。
本人はトリオが1番好きらしい。


1989年、「スパイス・オブ・ライフ2」のツアーにJバーリンの代わりに参加したバニー・ブルネル(B)とジョン・ワッカーマン(D,チャドWの弟)のトリオで「キロワット」を発表。
「スパイス・オブ・ライフ2」の路線をより自由にした印象で、結構好きです。
記憶では六本木ピットインでライブを見た。
このトリオのリズム隊が強烈でギターがややカスミ気味(洒落ではない)だった印象だった。


渡辺香津美はジャズの基礎をしっかりしたうえで様々なジャンル、ミュージシャンとコラボしているので全体像を把握するのは大変だが、私的にはクロスオーバーというよりはロック色の強い楽曲での演奏が好きだ。


1990年代のレゾナンス・ヴォックス(バガボン鈴木B,東原力哉D)でのトリオにパーカッション、アコーディオン他多彩な楽器やボーカルを重ねたサウンドも楽しい。


2000年代ニューエレクトリックトリオ(リチャード・ボナB、ホラシオ・エルナンデスD)でのゴリゴリな演奏も好きだ。


今まで日本のギタリストでは最高のギタリストとは思っている。
正直言ってまだ聞くべきアルバムを網羅しきってるわけではないので最終的な評価は留保せざるを得ない(勝手な話だけど)。


なので私的3大ギタリスト選考放浪記は更に続くことになります。