エンコルピオのブログ

日々のあれこれと趣味のことを徒然なるままに記す

読書録 2024第1四半期(1月~3月)

すっかり春めいてきて、衣替えを進める季節になった。
ただ時々雨がちなので、洗濯物を天日干しする我が家の管理人?の私にとって突然の雨は右往左往させられる。


閑話休題


去年通年で本ブログに記載した本は49冊だった(仕事用はカウントしない)。
これが多いのか少ないのか判断は難しい。
ただはっきりわかるのは、若い頃に比べて読む速度が遅くなった気はする。
近視の目に老眼が重なる不都合さを感じながら、小説でない者を読むときはしばしば眠気を催す時も多くなった。
まあ、焦る必要もない(借りた本は期限までに返さなければいけないが)ので、マイペースで今年も読んでいこう。


1月 安倍晋三 回顧録 安倍晋三
   昭和50年代東京日記 泉麻人
   東京電力の変節――最高裁・司法エリートとの癒着と原発被災者攻撃 後藤秀典


2月 半導体戦争――世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防 クリス・ミラー
   月日の残像 山田太一


3月 サミュエルソンかフリードマンか経済の自由をめぐる相克 ニコラス・ワプショット        
   すばらしい医学――あなたの体の謎に迫る知的冒険 山本健人
   一流投資家が人生で一番大切にしていること ウィリアム・グリーン
   社長たちの映画史 映画に賭けた経営者の攻防と興亡 中川右介


記載した本に関しては先に「ブクログ」にコメントしたので、以下多くは記述しない。


1月
「安倍晋三 回顧録」は、良くも悪くも戦後最長政権の安倍氏に対して読売の政治記者が長期間インタビューした発言で構成された1つの証言録。その功罪は歴史の評価を受けることになるが、一度辞任した者で再チャレンジを実践したことの評価(これもいいかどうかは別の話)と調べればすぐわかるような嘘を平気で強弁するような厚顔無恥ぶりを如何なく発揮した世襲政治家として記憶に残る。
トランプのような政治家?がカウンターパートナーだったことは皮肉にも好都合だった。


「昭和50年代東京日記」は、著者の名前を久しぶりに見て興味を惹かれて読んだ。相変わらずの軽佻浮薄なタッチが妙にバブル前の時代を思い出した。


「東京電力の変節~」は、原発事故に関わる訴訟において、日本で4大法律事務所と呼ばれる長島大野常松や西村あさひ、TMIといった大手事務所が東電の代理人として訴訟スタンス(被害者に対する態度)に大きな影響を与える様子や最高裁への進出等普段見えない面を興味深く知ることが出来た。


2月
「半導体戦争」は、戦後の半導体という経済に不可欠な部品の歴史を日本の盛衰、独立をかけた台湾の戦略、アメリカの経済的軍事的覇権といった国際的な視点から現在に通じる本として大変参考になる。


「月日の残像」は、去年亡くなった著者のエッセイ。


3月
「サミュエルソンかフリードマンか~」は、共にノーベル経済学賞受賞者であるが、その異なるスタンスが経済政策、金融財政政策、政治的支持といった面で現れる。
アメリカにおける経済学と政権(中央銀行含む)のかかわり方を理解する上でも参考になる。
「すばらしい医学~」は外科医の著者が、その見識を分かりやすいアプローチで医学の奥深さを教えてくれる。


「一流投資家が人生~」は、単なる投資のノウハウ本とは全く異なり、英米における有名な投資家(私にとっては知らない人がほとんどだったが)の考え方や人生観、ライフスタイルについて長期間に渡る取材を通じて興味深い哲学(幸福論に通じる)を示唆してくれる。


「社長たちの映画史~」は、日本の映画業界を作品自体ではなく産業、興行、メデイアの盛衰、経営者の群像といった多様な観点から描かれた興味深い本。


記載した本は多くが図書館から借りた。感謝したい。