エンコルピオのブログ

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追悼 ノーマン・ジュイソン

新聞でノーマン・ジュイソンの訃報記事を見た。
1月20日、97歳だった。


多くの有名な名作を世に送り出した監督としてアカデミー賞にも46回ノミネートされ(様々な部門があるが)、12回受賞したそうだ。


ただアカデミー賞は一つの目安(大きな目安だとは思うが)と思っているのでそれほどこだわりは強くない。


ただ同監督は娯楽性を持ちつつ社会的な問題提起(黒人差別や労働運動他)をストレートにする作品からSFやミュージカル、コメデイといった幅広いジャンルをこなす才人だった。


以下同監督作品で見たものを記す。


シンシナティ・キッド(1965)
華麗なる賭け(1968)
ジーザス・クライスト・スーパースター(1973)
ローラーボール(1975)
フィスト(1978)
ジャステイス(1979)
結婚しない族(1983)
ハリケーン(1999)


個人的には大好きだったSマックイーンの作品「シンシナティ・キッド(1965)」、「華麗なる賭け(1968)」の監督だったことが記憶に残る。
特に後者はマックイーン演じる大金持ちの泥棒とFダナウエイ演じる美人保険調査員との駆け引き、マルチスクリーンの斬新さ、Mルグランの素敵な音楽(アカデミー主題歌賞受賞)と言った泥棒モノの既成概念をひっくり返すお洒落さとマックイーンの新しい魅力を引き出したことが印象的だ。


ちなみに前者でもAマーグレットとの勝負事の駆け引きをめぐる共演もよかった。


また、あのスタローンが演じる長距離ドライバーとして待遇改善要求運動を通じ、組合での地位を上っていく様を描いた「フィスト(1978)」は、米国での労働者の組合活動を描いたもので興味深かった。


更に駆け出しの若い弁護士(Aパチーノが若い)が米国の司法制度の矛盾や腐敗に減滅しながらも苦闘する姿をコメデイタッチで描いた「ジャスティス(1979)」。


そしてボブ・ディランの「欲望(1974)」の1曲目及びハリケーンツアーで告発し自由放免となるための支援活動に展開した実在の黒人ボクサーの冤罪の悲劇を描いた「ハリケーン(1999)」は、Dワシントンが主演の素晴らしい力作だった。


ただ個人的には彼の有名な作品、例えばアカデミー―賞7部門ノミネートされ作品賞等5部門を受賞した「夜の大捜査線」(1967年)を見ていないのは残念。


他にもまだ未見の多くの作品があるので楽しみだ。 


合掌。