エンコルピオのブログ

日々のあれこれと趣味のことを徒然なるままに記す

極私的映画録 2023第4四半期(10月~12月)

2023年も大みそかを迎え、2024年の新春を祝う。
毎年の光景のようでありながら、家族も自分も社会も変化している。
それでも同じことを飽きもせずに続ける楽しみを持ち続けていたいと思う。
自らの感受性と考える力と環境を維持する源泉となることを祈念して。


さて2023第4四半期(10月~12月)で見た作品は36本だった。
したがって今年見た映画総数は165本ということになる。
2022年の188本よりは減少したが、2021年の140本よりは上回っている。
別に本数を競っているわけではない。
感動したり、期待以上だったり、新しい世界を見せてもらったり広い意味で楽しめればいい。
さてその中からいつものように、記載する対象は今年公開されたものに限らず、機会あって観たもので製作年度、公開年度は無限定だ。
その中で自分なりに高評価だったもの(再見のものは〇を付した)を以下に記録した。
また月によって該当作品なしと記すのも淋しいので、今回より次点と評価した作品も記載した。
個々の作品についての詳細なコメントは、キネノートさんに記録してあるのでこちらには詳しくは書かない。


10月 街の灯(1931米)
   クーリエ:最高機密の運び屋(2021英米)
   秘密と嘘(1996英)
(次点)ロープ(1948米)
    パーフェクト・ケア(2020米)
    マーシャル 法廷を変えた男(2017米)


11月 なし
(次点)汚れなき祈り(2012ルーマニア フランス ベルギー)


12月 風の中の牝雞(1948日本)
   スノーデン(2016米独仏)
(次点)疑惑の影(1942米)
    パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー(1998米)


やはり実話モノは、製作者側の意欲と事実は小説より奇なりとディテールのリアルさ説得力がある。
「クーリエ:最高機密の運び屋」は冷戦下の英米のソ連での民間人を使った諜報活動、「マーシャル 法廷を変えた男」は黒人として初めて米連邦最高裁判事になったサーグッド・マーシャルの弁護士時代の黒人差別に基ずく刑事裁判の弁護活動、「汚れなき祈り」は21世紀になっても実際に起こった悪魔祓いの事件の実態を、「スノーデン」は多くのマスコミでも報道されたアメリカ政府の膨大な国内外を網羅した監視システムの存在と実態を告発した事件の全容を、「パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー」は権威主義的な医学会に患者の視線に合わせた、無料医療活動を通じて医学会を革新しようとする実在の医師の誕生までを描く。


またヒッチコックで未見の作品「ロープ」「疑惑の影」をフォローしていたが、やはり質の高さを感じた作品だった。


「秘密と嘘」はイギリスを舞台とした作品ながら、家族間の人間関係を通じて微妙な心情や過去の秘密を丁寧にに描き、まるで小津映画のようだと思った。
それがきっかけで未見の小津映画「風の中の牝雞」を見たら、想定してなかった心揺さぶる作品だった。
流石に名匠巨匠と言われる監督たちの作品は並ではないことを再認識した。


2024年も楽しみだ。