エンコルピオのブログ

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追悼 崔洋一監督

映画監督で時々は俳優でもあった崔洋一さんが亡くなった。
73歳だそうだ。


私にとって崔監督は「血と骨」という在日朝鮮人と日本人から生まれた主人公が、戦前の日本社会でオスとしての本能のままに良くも悪くも生き抜きながらも、決して満たされない絶望的な孤独を感じさせる作品として印象に残っている。


主人公をビートたけし、その妻を鈴木京香といった主役級もさることながら、主人公と共に人生を這いずり回るような女性を演じた助演女優陣、特に中村優子を強く印象つ”けた作品だった。
以後彼女の出演作やCM(結構印象深い、時にブラックなものも)も意識して見ている。


また、この作品の主人公の長男が大人になった姿が、同じ崔監督の「月はどっちに出ている」の主人公なのだそうだ。
その作品は「血と骨」の作風とは異なり、コミカルなタッチの中にペーソスを感じさせる作品で味わい深かった。


弱者やアウトローに対するシンパシーを感じさせる作風は強面でもコミカルでも共通するものがあると感じられた。
まだ見ていない作品もたくさんあるので機会があれば見たいものだ。