私的3大ドラマー PHIL・COLLINS篇 PART2
1980年GENESISとして力作「DUKE」発表後、Pコリンズの快進撃が始まる。
1981年最初のソロアルバム「FACE VALUE」を発表。
このアルバムはそれほど知られていないかもしれないが(3rdアルバムの売上に比較してというくらいの意味)、Pコリンズがやりたかったことが満載の傑作と評価している。
まず、当時絶頂期にあったアース・ウインド&ファイアーのホーンセクションを大胆に起用した。
3曲目は「DUKE」にも収録されている曲だが、アレンジを全く変えてダンサブルな曲に仕上げている。
GENESISにおけるハイハットを多用したドラマチックな仕上がりと対照的だ。
5~6曲目のメドレーのような流れでドラムとホーンセクションの絡みが匠の技。LAの子供たちのコーラスはご愛敬。
7曲目もホーンセクションを従えてフィルのボーカルがかっこいいポップなナンバー(詩はちょっと切ないけど)。
9曲目はホーンセクションをバックにフィルの力強いボーカルと盟友Dステューマのギターが間奏をリードする。
11曲目の泣きのアルトサックスとアリフ・マーデインがアレンジしたストリングスをバックにしっとり歌うフィルのボーカルはヴェリーグッド。
次にプロデユーサー兼エンジニアとしてヒューパジャムを起用したことだ。
この後のフィルの快進撃を支えることになる。
ただ面白いのはヒューパジャムを起用するきっかけは、ピーターガブリエルの3rdアルバム(これは大傑作と思います)にフィルが参加した時にそのドラム音の処理に興味をもったことだった。
そのエンジニア担当がHパジャムだった。
Pガブリエルとの交流や影響がこのアルバムでも垣間見えます。
シングルカットされた1曲目の「In the Air Tonight」でのリズムボックスからスネアのドラム音の処理の仕方は効果的でトリハダもの。
ラスト12曲目のビートルズの「Tomorrow Never Knows」は原曲のアレンジを活かしながら
ドラム音の処理とJギブリン(ブランドX)のベースを際立たせたカッコよさに脱帽。
エンディングで「オーバーザレインボウ」をこそっと歌うのもご愛敬。
第3にフィルのソングライティングの良さが際立つ。
8曲目は後にアバのフリーダのソロアルバムをフィルがプロデユースしたとき、更にドラマチックにアレンジした切ないラブソング。
2曲目もステイーブン・ビショップがバッキングボーカルで参加の佳曲。
12曲目を除いてすべてフィルの曲。
このアルバムはこの後フィル個人のソロアルバムだけでなく、GENESISのアルバムにも大きく影響を与えることになる。
本作と同年9月に発表されたGENESISの「Abacab」にHパジャムをエンジニアとして起用し、EW&Fのホーンセクション導入に関してトニーバンクスと対立したが、導入に成功しポップな路線に大きく舵をきった。
さて今日はこれくらいで。
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