エンコルピオのブログ

日々のあれこれと趣味のことを徒然なるままに記す

暮れる想い 高橋幸宏を偲んで

先日NHKで坂本龍一のピアノコンサートが放映された。
癌のステージ4で数度の摘出手術をしたせいで体力は落ち、1曲ずつ演奏したものをつなぐ形で一つのコンサートの体裁を整えたものだった。


時の経過を感じさせるもので名曲のNAKEDな形が印象に残った。


その余韻の翌日にYMOの同志、高橋幸宏の訃報が流れた。
同じくYMOの同志細野晴臣のラジオ番組にゲスト出演していたので、病気の療養をしていることは知っていたがまさかの訃報。
71歳。
まだ若い。


もちろんYMOの高橋幸宏が世間的には有名なことは知っているし、彼の手数の少ない正確なドラムと印象的なボーカル、YMOの独特なファッション、フランス文化の影響やポップなセンスといったバンドに対する多大な貢献はある程度知っている。


ただ私にとっての高橋幸宏の魅力は、サディスティックミカバンド第1期の手数の多いドラムだった「黒船」(1974)の黒船の組曲であったり、サディスティックミカバンド第2期のふっ切れたボーカルスタイルだ。
「天晴」(1989)に収録されている「42°Cのピクニック」の彼のボーカルとメロデイラインの甘酸っぱさは、彼の好きなGハリソンのエッセンスを感じられる好きな曲だ。


また、時を越えて再結成された2つのバンドでは彼と加藤和彦との距離感(影響と個性の確立)の変化が興味深かった。
今でも「黒船」(1974)や「天晴」(1989)は愛聴盤で、特に後者はリアルタイムでバンドを見ていたせいか、当時の日本のバブルな繁栄を思い出されて感慨深い。


彼には他のミュージシャンとのコラボも多いことから、残された作品を楽しみたいと思う。


ご冥福を祈ります。