追悼 ウィリアム・フリードキン
8月7日映画監督ウイリアム・フリードキンの訃報を目にした。
Wフリードキンと言えば、私の世代にとっては「エクソシスト」が社会的な事象として強い印象に残っている。
悪霊に取りつかれた少女が巻き起こす奇々怪々な現象の映像にショックを受けたものだ。
そしてこの映画の大ヒットとともにオカルト映画という一大ジャンルが当時の映画興行界を席巻したことにも強いインパクトを残した。
ただその当時感じたのは本作で流れるマイクオールドフィールドのチューブラーベルズのリフレインの効果的なサウンドだった。
猥雑で残酷、神秘的で深淵な映像をクールなリフレインが絶妙に恐怖を醸し出していた。
オカルト映画でこんな音楽の使い方は衝撃的だった。
その後フリードキンはリメイクした恐怖の報酬でもタンジェリンドリームを音楽に起用して雨の中切れそうな吊り橋を渡るトラックでニトログリセリンを運ぶスリリングな映像をシンセサイザーサウンドの大胆な導入とマッチして見せてくれた。
恐怖の報酬で主演を演じたのがロイ・シェイダーで彼の出世作は、フリードキンが監督したフレンチコネクションだった。
もちろんフレンチコネクションの主演はジーンハックマンだが、都会の刑事もので相棒役を務めていたのがRシェイダーだった。
この作品以降刑事の相棒ものと呼ばれるような作品が多く製作されるようになった。
フレンチコネクションは大ヒットし、アカデミー賞作品、監督賞など5部門に輝いた。
以上挙げた3作品はいずれも1970年代の作品で、彼にとって最も勢いのあった時代ではなかったかと思う。
その頃ジャンヌモローと結婚していた(1977~79)のだから驚いた。
娯楽性と物議を醸す両面をもった才気ある監督として冥福を祈ります。
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